秋の大雨。
荒れ狂う土手で、モンキーターンよろしく華麗に方向転換するはずが、
足元のカエルと目が合い、こちらだけがフリーズした。
カエルは雨の中でも泰然自若。
私は眠気と水たまりに挟まれ、人生の進路を一時見失う。
遠くで雷が鳴り、土手の草がざわめく。
まるで自然が「もう帰ろう」と会議で決めたようだった。
異議を唱える元気もないので、お家へ帰ろう。
カエルは残り、土手の議長に就任した。
台風が近づく競艇場。
序盤から出遅れ、舟券も気持ちも水面を漂う小舟のようだった。
隣ではカエルがじっとレースを見守っている。
声援を送る相手は、なぜか画面の青島。
「もう少し頑張れ」と念じたところ、中段チェリーからまさかのフリーズ。
場内の時間が止まり、カエルまで置物のふりを始めた。
劇的な展開に心は騒ぐのに、胃袋は蕎麦しか受けつけない。
これが加齢。
台風より強い波多野と、奇跡を起こした台に拍手。青島は次こそ頼む。
帰り道、雨粒が傘を叩く音は祝福の歓声であった。