設置数もそこまで多くなかったし、
設置期間も長くなかったので、
設置店を探して、色んな地域を見に行った台でもあった。
その時見つけた、ある地域のお店で、数日間打っていたのだけど。
軽い食事休憩から戻ってきたら、
店員が俺の台を、今流行りの盤面にキスをするくらいの至近距離で見てる訳。
「おうおうおう!
なに見てんだよっ!?」
とまでは言わなかったが、
当時はバリバリの輩だったので、堂々と台に戻ったら、
「少し確認したい事があたので、確認させて頂いておりました」
みたいな事を言われた。
今だったら、
見なかった事にして、逃げるように外に出て大きく深呼吸して、
精神安定剤を投入して、心を落ち着かせ、
場合によっては、即撤退即尺五千円。
そんでもって、
この店のジグマさんが、俺がしつこく粘ってるものだから、
隣に座って、真似してきた訳。
※編注 ジグマとは、特定の1店舗に根城を絞って稼働するプロ・専業(地元を縄張りにする熊=ジグマ)を指します。
毎日、同じような作業着を着てね。
そいつが真似し始めて。
店員が近くにいても、グリングリンやるもんだから困った。
俺は、イケイケのイケメンだったこの頃から、
その辺の常識はある出来た人間だったから、
店員が近くにいる時は、そういうグリングリンとかシコシコみたいな事は控えていた。
でも、こいつはマジで阿呆だから、
固定ハンドルしたまま、ハンドルをグリングリンするもんだから、
固定しているものが飛んで行ったり、挟んでいる内側の方に食い込んでいったりして、
店側から注目を集めちゃう訳。
釘が終わって、俺も終わった訳。
あの阿呆、
まだ作業着で、パチンコ打ってるかな?
もう生き残ってねえだろうけど、
生き残れなかった方が幸せだったよ、ほんと。
俺は出来た人間だから、生き残ってしまった。
出来た人間の方が苦労するって、こういう事なんだろうね。