覆面調査員(ミステリーショッパー)とは
一般客を装って飲食店や店舗を訪れ、接客や清掃状況、商品の質を密かにチェックする仕事です。
店側にバレないよう潜入し、退店後に詳細なレポートを提出することで、報酬や飲食代の謝礼を受け取る店舗の監査役。
応募してみたものの、まさか採用されるとは思っておらず、実際は行きたくなさ過ぎて仕方ありません…
だって、ペカまるですよ?
ただの大学生ですよ?
ただの大学生にチェックされるなんて店側もたまったもんじゃないでしょうに。
調査会社から送られてくる指示書を隅々まで読み込む。
指示書には普通の客として不自然に見えないよう、動機や設定が書かれています。
プロの客として、優雅にランチを楽しみながらお小遣いをもらう…。
そんなキラキラした妄想を抱いて応募した、あるイタリアンレストランでの覆面調査。
しかし現実は、スパイ映画さながらの冷や汗と、胃袋の限界に挑むサバイバルでした。
今回の指令は「接客態度の確認」と「料理の提供時間の計測」。
私は、ごく普通の「一人で優雅にパスタを嗜む客」を装い、店内に潜入しました。
まず最初の難関は、スマホのストップウォッチです。
店員さんが注文を取ってから料理が来るまでの時間を秒単位で測らなければなりませんが、露骨に時計を見るのは素人。
私は「仕事のメールをチェックしている風」を装い、テーブルの下で震える指を隠しながら、画面を見ずにストップウォッチを起動させるという高度なブラインド操作を敢行しました。
しかし、事件は料理が運ばれてきた瞬間に起こりました。
「お待たせいたしました、季節のジェノベーゼです」
運ばれてきたパスタは、完璧な盛り付け。ここで私は「盛り付けの美しさ」を評価するための証拠写真を撮る必要があります。
しかし、このお店は「店内での撮影はご遠慮ください」というポリシー。
ここで撮影を断念すれば、レポートの信憑性が損なわれ、謝礼金という名の報酬が露と消えます。
私は、最新の注意を払いつつ、スマホを構えました。
ちょうどその時、隣のテーブルに運ばれてきたのは、もくもくと煙の上がる熱々の鉄板料理。
「今だ……!」
その煙をスモークスクリーン代わりに、私は音を立てずにシャッターを切る…
…はずでした。
しかし、緊張で指が滑り、よりによって音量設定がMAXに。
「カシャァァァァッ!!!」
静かな店内に、銃声のようなシャッター音が鳴り響きました。
一瞬で凍りつく周囲の視線。
店員さんの刺さるような視線。
私は咄嗟に、「あ、あぁ……間違えて……友人に送るはずの……自分の指を……撮っちゃいました……」
と、支離滅裂な言い訳をしながら、何食わぬ顔で自分の親指の付け根を愛おしそうに見つめるという、狂気じみた演技でその場を凌ぎました。
さらに、最大のハプニングは終盤に訪れました。
「トイレの清掃状況を確認せよ」という重要任務のため中に入ると、なんとそこには「掃除中」の立て札。
清掃担当は、先ほど私が親指を見つめているのを不審そうに見ていた店員さんです。
狭いトイレの入り口で鉢合わせ。
私は「あ、いや、手を洗いたいだけなんです」
とドギマギしながら手を洗い、鏡越しにトイレットペーパーのストック状況を必死に網膜へ焼き付けました。
その姿は、客というより完全に不審者。
高級パスタの味は、緊張と冷や汗のせいで全く覚えていません。
手元に残ったのは、わずかな報酬と、スマホのフォルダに保存された
「ピンボケしたジェノベーゼ」と「私の親指」のシュールな写真だけでした。
この日のバイト代は15000円。
ミスタージャグラーを打ちにパチ屋にレッツゴーです!!
中押しで打っていくと
初当たりは早かった。