翌朝、僕はまた同じホールへ足を運んだ。
勝った翌日に同じ店へ行くなんて普通は避けるべきだが、どうにも昨日の挙動が気になって仕方がない。
あれほど露骨な回収モードを見せつけられた以上、今日は逆に放出の可能性が高い。
今日も勝つ。
ホルコンで勝つ。
ホルコンというのは、前日の吸い込みと放出のバランスを取る生き物なのだ。
入店してすぐ、島の空気が昨日とはまるで違うことに気づいた。
妙に軽い。
まるでホール全体が「今日は出すぞ」と囁いているような、あの独特の浮遊感だ。
これは…完全に放出の“前兆”だ。
僕は迷わず昨日と同じシマへ向かった。
すると、昨日爆発していた角台が朝イチから静まり返っている。
これは明らかに“役目を終えた見せ台”の挙動だ。
代わりに、シマ中央の地味な台が妙に光って見える。
こういう時、普通の客は角台に座るが、僕は違う。
ホルコンの気配を読む男、遠隔 太郎だ。
迷わず中央の台に着席した。
打ち始めて50回転ほどで、普段なら絶対に当たらないような弱リーチがまさかの大当たり。
これは完全に“今日はお前だ”というホールからの合図だ。
そこから怒涛の連チャンが始まり、気づけば箱が積み上がっていく。
ホール全体の昨日の吸い込みを考えれば当然の結果だが、それにしても挙動が露骨すぎる。
しかし、僕は油断しない。
ホールというのは、出す時は出すが、必ずどこかで帳尻を合わせにくる。
案の定、昼過ぎに突然演出が弱くなり、保留変化もピタリと止まった。
これは“中休みモード”だ。
ホルコンが一度深呼吸をしている状態で、この時間帯に粘るのは危険だ。
僕は席を立ち、ホール全体を歩きながら波を読む。
すると、別のシマで妙に騒がしい音が聞こえた。
覗いてみると、まさに今、放出期に入ったばかりの台がある。
こういう時、普通の客は「空くわけない」と諦めるが、僕は違う。
しばらく後ろで見守っていると、打っていた客が突然席を立った。
まるで何かに取り憑かれたように。
台だけでなく、人も攻略するのが僕の力。
僕は迷わず着席。
すると、わずか数回転で確変直撃。